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受賞
稲葉准教授が農芸化学奨励賞を受賞
21世紀COEプログラムの稲葉丈人准教授が、日本農芸化学会から農芸化学奨励賞を受賞することが決定しました。受賞題目は「細胞内輸送を介した植物の多様な環境応答機構に関する研究」です。本受賞については、2月20日(金)付けの岩手日報・夕刊でも取り上げられています。
農芸化学奨励賞は農芸化学の進歩に寄与する優れた研究をなし、将来の発展を期待し得る満40歳以下の会員に与えられる賞で、農学系の若手研究者を対象とした賞の中では最も権威ある賞の一つです。歴代の受賞者の中には、その後、文化勲章、文化功労者、学士院賞、あるいは紫綬褒章などの賞を受けた研究者が多数含まれています。岩手大学からの受賞者は24年ぶり4人目となります。授賞式及び受賞講演は、3月末に福岡で開催される日本農芸化学会2009年度大会で行なわれます。
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水谷征法(COE-RA)
第226回(平成20年度)日本作物学会講演会「最優秀ポスター賞」受賞
受賞発表
水谷 征法、堤 賢一、斎藤 靖史
「イネ胚乳形成初期における新規サイクリン依存性キナーゼ阻害因子の発現」
イネの胚乳形成初期には通常の体細胞とは異なる細胞周期進行が起こり、多核体が形成されることが1960年代の形態観察で明らかにされています。この多核体形成はイネ胚乳のサイズ、種子形成に重要な役割を果たしていると考えられていますが、その分子機構については不明のままでした。今回、動物の細胞周期を抑制する因子として発見されたCKI (cyclin-dependent kinase inhibitor)に相当する遺伝子5種類をイネにおいて発見し、それらの発現を調べたところ、その中の1つESOCKIは胚乳表層部において多核体を形成している時期および部位特異的に発現していることがわかりました。これらの結果は、ESOCKIがイネ胚乳形成初期における多核体形成に関わる機能分子である可能性を示しています。
この発表は、第226回日本作物学会講演会(神戸大学に於いて9月24〜25日開催)で「最優秀ポスター賞」を受賞し、大会委員長から賞状・クリスタル盾が贈られました。この内容の詳細は日本作物学会紀事77巻(別2)p300-301(2008)に掲載されています。
稲葉丈人(COE准教授)
日本農芸化学会東北支部奨励賞
受賞題目:葉緑体へのタンパク質輸送の分子機構と低温応答におけるその意義
植物細胞に特有な細胞内器官である葉緑体は、光エネルギーを化学エネルギーに変換する場であると同時に、糖、脂質、アミノ酸、色素など様々な物質合成の場でもある。従って、地球上の生命活動は葉緑体機能に依存していると言っても過言ではない。葉緑体には3000種類以上のタンパク質が存在するが、その大部分は核ゲノムにコードされている。これら核コードタンパク質の葉緑体への輸送を支えているのが、タンパク質透過装置Toc-Tic複合体である。受賞対象となった研究では、葉緑体内包膜Tic複合体の主要構成因子Tic110タンパク質の作用機構とその生理的役割を明らかにした。
また、葉緑体には上述のような代謝活動に関与するタンパク質のみならず、ストレスに応答して蓄積し、葉緑体機能を保護するタンパク質も存在すると考えられる。我々のグループでは「低温により誘導され葉緑体に輸送されるタンパク質は、葉緑体を低温ストレスから守る機能があるに違いない」と考え、複数の低温応答性葉緑体タンパク質の機能と作用機構を明らかにした。これらの成果により、低温ストレスに対する植物の応答メカニズムの一端が明らかになった。
齋藤 茂 (COE研究員、新貝鉚蔵グループ)
15th Annual Meeting of the Society for Molecular Biology & Evolution Postdoctoral Poster Prize、1st Prize受賞
2007年6月24日〜28日 カナダ、ハリファックス、Dalhousie University
<受賞題目>
Positive Darwinian selection drives rapid evolution of uncoupling protein-1 and conferred novel nonshivering thermogenesis on eutherian mammals Shigeru Saito, Claire Tanaka Saito, and Ryuzo Shingai
Uncoupling protein (UCP)-1は、有胎盤哺乳類が寒冷条件に曝された際に体内の熱産生量を増加させ、体温の低下を防ぐ非震え熱産生機構において中心的な役割を担っている。本研究では、多様な脊椎動物のUCP1遺伝子を収集し、塩基配列の比較解析を行った。その結果、有胎盤哺乳類の祖先種においてUCP1遺伝子に、個体の生存に有利なアミノ酸置換が積極的に蓄積する現象である正の自然選択が働いたこと、また、正の自然選択がUCP1遺伝子の発熱性の機能の獲得と関連していることを明らかにした。
有胎盤哺乳類のUCP1の機能の解析は20年以上前から続けられ、その生理的な役割が詳細に解明されている。しかし、UCP1の発熱性の機能の進化的な成り立ちは分かっていなかった。本研究では、近年、急速に蓄積されている脊椎動物のゲノム配列データのデータマイニング的な手法と、分子進化学的な理論に基づいた解析法を併用してUCP1遺伝子の進化過程を明らかにした。UCP1の発熱性の機能の獲得に関連して正の自然選択が働いたことを明瞭に示した点が評価された。
八重樫 元(COE-RA)
第2回(平成19年度)日本植物病理学会「学生優秀発表賞」
<受賞発表>
八重樫 元・磯貝雅道・佐野輝男・吉川信幸
「リンゴクロロティックリーフスポットウイルス外被タンパク質の40番と75番のアミノ酸の組み合わせ(AとFまたはSとY)がウイルスゲノムRNAの 蓄積には必須である」
寒冷地果樹の代表的なウイルスであるリンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV)分離株間の外被タンパク質(CP)アミノ酸配列の比較 から、ACLSV-CPの5カ所のアミノ酸(アミノ酸番号40, 59, 75, 130, 184)が常に連動して変異していることを突き止め、特に40番と75番のアミノ酸の組み合わせ(AとFまたはSとY)はACLSV-RNAの複製/蓄 積に必須であることを逆遺伝学的に証明した内容で、平成19年度日本植物病理学会全国大会(宇都宮大学で3月28〜30日に開催)で「学生優秀発表賞」 を受賞した。この内容は Journal of General Virology 88, part 9 (2007)に掲載予定である。
及川 愛(COE−RA)
2007年度第3回日本植物生理学会若手海外共同研究フェローシップ(JSPP Fellowship)受賞
<受賞題目>
LCM (Laser-capture microdissection)法を用いたオオムギ種子発達に関与する遺伝子ネットワークの解明 Unraveling the gene network involved in the barley seed development by LCM(Laser-capture microdissection)
オオムギにおけるβ‐グルカン合成と種子発達に関与する分子ネットワークとの関係 を解明することを目的とし、Yale大学Nelson教授の研究室において、植物組織用 Laser- capture microdissection (LCM)法を用いて種子発達に関与する遺伝子群の 組織特異的発現解析を実施する。(期間:2007年7月1日〜8月31日)
渡辺 正夫グループ
2005年GGS(日本遺伝学会誌、Genes & Genetic System)Prize 受賞
Endo M, Tsuchiya T, Saito H, Matsubara H, Hakozaki H, Masuko H,
Kamada M, Higashitani A, Takahashi H, Fukuda H, Demura T and Watanabe
M (2004)
Identification and molecular characterization of novel anther-specific
genes in Oryza sativa L. by using cDNA microarray. Genes Genet.
Syst. 79: 213-226
イネは単子葉モデル植物であり、また、作物としても重要である。近年、その全ゲノム配列が決定されたが、生殖器官で特異的に発現している遺伝子の網羅的解析は行われていなかった。生殖器官は、様々な環境変化に対して大きな影響を受け、また、東北地方では、冷害により不稔となる。こうした実用的な面とイネの葯、花粉成熟過程を理解することは、基礎生物学的にも重要である。
本論文では、4,304 cDNAクローンからなるcDNAマイクロアレイを独自に作製し、156種類の異なる葯、花粉特異的遺伝子を、クラスター解析により同定し、また、in
situハイブリダイゼーション実験から、新規の葯、葯壁、タペート細胞、小胞子特異的遺伝を単離した。こうした一連の遺伝子が同調的に機能することにより、花粉が成熟し、受粉、受精に至るものであると考察した。
http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/topics/topics_05092.html
伊東 靖子(COE研究員、伊藤 菊一グループ)
2005年度日本農芸化学会東北支部若手奨励賞受賞
<受賞題目>
大腸菌リポ蛋白質の選別輸送を担うABCトランスポーターの反応機構
ABC蛋白質は、生物最大の蛋白質ファミリーを形成しており、ATP加水分解エネルギーを利用して細胞膜やオルガネラ膜を介したさまざまな構造の物質輸送を触媒する。近年、ABC輸送体に関係する数多くの疾病が報告されており、ABCシステムの解明は臨床医学との関連からも極めて重要である。なお、本受賞は、東京大学分子細胞生物学研究所(徳田研究室)にて行った研究が評価の対象となったものである。
本研究では、大腸菌の内膜上で成熟したリポ蛋白質を外膜に輸送するABC蛋白質 (LolCDE) の触媒機構について分子レベルでの解析を行い、基質と特異的に結合したLolCDE複合体を機能的な中間体として単離することに成功した。これは、数あるABC蛋白質の中で初めての例であり、さらに本複合体を機軸とした解析により、LolCDEにおける主要な触媒機構が明らかとなった。
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