| 研究紹介 -
鈴木 幸一
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鈴木 幸一(昆虫生理学、昆虫生物工学)
koichi@
岩手大学大学院連合農学研究科・教授
岩手大学農学部農業生命科学科・教授
熱に対する生物の生存戦略メカニズム
- 昆虫生存戦略(越冬休眠)の分子機構 - |
a) これまでの研究内容
生物の休眠越冬は微生物から植物、そして哺乳動物まで広く認められる生命現象です。私どものグループは、昆虫を素材として、彼らの休眠越冬の生理機構ならびに分子機構を追求してきました。
特に、昆虫の休眠越冬の現象の中でも特異的な生体システムに着目しました。わが国が原産となっているヤママユ(天蚕)は大型の絹糸昆虫です。この昆虫は、卵内で幼虫の体が完成した状態で休眠越冬します(前幼虫休眠)。また、牧草地の雑草を摂食する甲虫目のコガタルリハムシは除草昆虫と呼ばれ、成虫で1年の内10ヶ月も土の中で休眠越冬します。
天蚕の休眠中の前幼虫からは、生物界で新規のペンタペプチドを発見し、細胞増殖抑制機能があることを明らかにしました。また、この昆虫でイミダゾール系化合物による人工孵化法を確立するのに成功しました1)。成虫休眠するコガタルリハムシからは、N型電位カルシウムチャンネルブロッカーとしての生理活性や植物寄生糸状菌に生育阻害を有する新規のペプチドを同定し、その遺伝子を明らかにしています2)。これらの成果は、新規ペプチドの機能と人工孵化のメカニズムから、昆虫の休眠越冬を理解し応用開発へと進んでいます。
- 鈴木幸一:休眠の人工覚醒法と休眠制御物質、昆虫の休眠科学、田中誠二・檜垣守男・小瀧豊美編著、東海大出版会、p. 293-304
(2004)
- Tanaka, H. et al.: Insect diapause-specific peptide from the
leaf beetle has consensus with a putative iridovirus peptide.
Peptides, 24, 1327-133( 2003)
b) COEで目指そうとしている研究内容
特に「気温と昆虫の生体分子反応」に焦点を当て、自然界における長期低温接触が生物の休眠覚醒・生殖のシグナルであることから、その普遍的分子変換の解析に挑戦します。これは、天蚕の人工孵化法すでに発見しているイミダゾール系化合物結合タンパク質をツールとすることで、物理的低温接触が生体分子反応に変換する機構を解き明かすことができると考えます。また、コガタルリハムシ成虫が、夏の高温と冬の低温を回避している分子戦略機構を明らかにすることで、寒冷環境ストレス下における生命活動の在り方とその開発に新しい提案を行います。
c) 関連リンク
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/~insect/
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