年度別インデックス

外部有識者と学長との対談


フィールドから学び、実践を通して考えていくことが地方創生における大学の役割

〇岩渕学長  教育というのは人材育成そのものですから。
  あっという間に時間がきたようです。岩手大学はこれからも地域を先導する人材育成に取り組んでいきます。最後になりましたが岩手大学に対して何か一言ずつコメントいただけないでしょうか。
〇坂本氏  いつも岩渕学長にたいへんお世話になっていますが、こういう白熱した議論が出来る、される学長から、文科省の職員としてまた一人の行政官として大変勉強させて頂いています。こういう形で自治体のリーダーの方とも議論され、あるいは産業界の方とも議論されるということを、我々行政側も岩渕学長を見習ってやらせて頂きたいと思います。やはり社会を変えていきたい。我々も推進力になりたいと思います。岩手大学と一緒にそういうことを実践させて頂きたいと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
〇本田氏  合併前と合併後、震災前と震災後というなかで市町村という一つの現場の意識を変えていかなければならない、発想を変えていかなければならない。かつては市町村ごとに協議会を作り、同盟会を作り、陳情書を持って国の方に行くことになっていたのが、市町村合併で大きく様変わりをしてきました。となれば、その中で水平連携として市町村同士で連携の枠組みが出来てきます。だからそこに大学の「学」と、企業の「産」がどのように上手く噛み合ってくるか。国・県・市町村という連携も勿論大事にしなければいけないが、市町村と産学官、それに金労言というものをどのように縦と横の糸にするか、縦糸と横糸がすっかり噛み合えば紐じゃないんですね、布になるんです。そうするとほとんどが壊れない。壊れない組織になるということです。
〇坂本氏  一言だけ。いま市長がおっしゃったことですが、口幅ったいようですがドラッカーが社会に対して大学がどう貢献するかということで、「すでに起こった未来」をいかに捉えて能動的に対応していくことがいかに重要かを言っています。「すでに起こった未来」というのは、構造変革の中で一番典型的なのは人口構造です。人口構造の変化は既に起こっているわけですが、それが一体社会に産業構造に何をもたらすかというのはなかなか読めないところがあるんです。それを学問的アプローチ、社会学なのか政治学なのか哲学なのか法学なのか、そういうところで学問としてそれを示し、それに備えるために行政は、産業界は何をしていくべきかを提示していくのは、やはり学問だなんですね。ということをドラッカーも言っています。これをいま多分、市長は縦糸横糸ということでおっしゃっているんじゃないかと思います。是非これを我々はアカデミアの皆さんと共にやらせて頂きたいと思います。多分岩渕学長はそういうことをお考えになっていると思います。
〇本田氏  ぜひ、立派な反物を作りましょうよ。(笑い)
〇岩渕学長 いや、私は三次元を作りたいんですよ。二次元よりも(笑い) 
〇本田氏  縦と横の糸がしっかり合わさって、その布の中から岩手大学が浮かび上がって欲しいと思います。
こういう場なので、一言だけ御礼を申し上げたいのですが、遠野市が東日本大震災の時、後方支援ということを形にすることが出来ました。その背景には前岩手大学副学長の斎藤徳美先生のご指導がありました。火山帯でもない、活断層もない分厚い花崗岩で、大きな地震が来ても壊滅的な被害を受けないのは遠野市だということを、きちんと学術的な資料の中で提供頂いた。そこで後方支援が出来た。「海がないから津波は来ない。しかし遠野市の役割がある」という一つの方程式を組み立てて行ったのはまさに学の指導があったから遠野は形にすることが出来たということを、この場を通じてお礼申し上げたいと思っています。
〇岩渕学長  岩手大学も震災後、地域防災研究センターを立ち上げ、この間の台風10号でも岩泉町、久慈市、宮古市などで現地調査を行うと共に、学生ボランティアを募り、延べ400名の学生が現地でドロ上げ等のボランティアを行いました。大学として、できることから地域のニーズに合わせてやることが当然ですが、そこから何を学んでくるかということまで消化させていかないと、やりっ放しになるということです。我々は「実践」の中から得た知見を教育の中に反映させるように頑張っていきますので今後も文科省はじめ地域の自治体も宜しくご支援頂きたいと思います。本日はどうもありがとうございました。