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最新研究

ウイルスベクターを利用した果樹の早期開花技術の開発

掲載日2018.3.13


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農学部 植物生命科学科 教授
吉川信幸
【園芸科学】

リンゴ・ナシの1世代を1年に短縮する技術開発に成功

「桃栗三年、柿八年」のことわざのように、果樹類は種子が発芽してから初めて開花・結実するまで、数年から十数年かかります。そのため果樹類の品種改良には十数年から長い場合は数十年かかるのが普通です。私たちは、リンゴから分離された無害なウイルス(リンゴ小球形潜在ウイルス、ALSV)と植物の開花を促進するフロリゲン(FT)遺伝子を組み合わせて、リンゴ実生苗の開花を発芽後1〜2ヵ月に短縮する技術を開発しました。

果樹や花卉類の新品種育成の期間を大幅に短縮

地球温暖化が進んでいるために果樹類では着色不良などの高温障害が問題になっています。そのため温暖化に対応した新品種の育成が必要です。果樹や花卉類の新品種育成は、品種同士を交雑し、優良株を選抜して作りますが、新品種ができるまでには一般に10年から数十年かかります。その一番の理由は開花・結実するまでの期間です。ALSV ベクター技術を利用することで、リンゴ・ナシ・ブドウ・ミカンなどの果樹類では、1世代を1年以内に、またリンドウでは開花まで2〜3年かかるところを、2〜4ヶ月に短縮できます。今後、本技術を利用して農産物の新品種が迅速に開発されることが期待されます。