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【プレスリリース】~ 家畜生体用無線伝送式pHセンサーを世界で初めて開発! ~

掲載日2021.3.22


概要

国立大学法人岩手大学と化学分析機器メーカーの山形東亜DKK株式会社(本社:山形県新庄市福田字福田山711番地109)と共同で世界初となる「家畜生体用無線伝送式pHセンサー」を開発しました。
近年、濃厚飼料の多給等が原因で牛の第一胃(ルーメン)が酸性過多(アシドーシス)となり、健康被害により牛の生産阻害が課題となっています。アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からも手術等で動物に苦痛を与えない非侵襲での計測機器の開発が求められています。

従来は研究機関の試験用の牛の腹部に外科的に取り付けた窓(フィステル)を介してルーメン液を直接採取し、その都度pHを計測していましたが、長期間にわたるpHの連続計測は困難であるとともに、外科手術等による牛への負担が課題でした。また、一般酪農家の牛にフィステルを設けることはできず、各酪農家における飼料の配合と牛の健康状態の因果関係を正確に分析することは困難でした。

そこで、本センサーを過酷な環境下であるルーメンに経口投与して留置させ、ルーメン液のpHの状態を無線伝送で長期間(約3ケ月間)にわたりリアルタイムで監視・評価することが可能となりました。
さらに、先端部に強力磁石を取り付けたセンサー回収器により経口的にルーメン中から本センサーを吸着回収し、バッテリー交換等の整備をした後に再利用できます。

本センサーの活用により家畜の飼養管理の改善、濃厚飼料等の効率的な利用方法を見出すことによって、従来の生産阻害要因を軽減し、畜産振興に貢献するものと期待しています。
本センサーは、岩手大学の国内外の特許を動物用医薬品及び医療機器メーカーの日本全薬工業株式会社(本社:福島県郡山市安積町笹川字平ノ上1番地の1)に技術移転し、同社から農林水産省動物用医療機器の薬事承認を申請し、2020年5月19日に承認取得しており、今年8月頃に発売される予定です。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称「薬機法」(旧薬事法))に基づく農水省の薬事承認取得は、2004年の本学の独立行政法人化以降初の事例となります。

(参考)pHとは、水素イオン濃度の略称で、強酸性が1、中性が7、強アルカリ性が14を表します。

本研究成果のポイント

◆過酷な環境下である牛のルーメン(第一胃)に経口投与で留置させ、ルーメン液のpHの状態を無線伝送で長期間(約3ケ月間)にわたりリアルタイムで監視・評価でき、回収器で経口的にルーメンから回収して再利用できる無線伝送式pHセンサーを世界初で開発しました。
◆連続的なpH計測により、ルーメンアシドーシス(胃酸過多)が発生しない適切な飼料の管理や配合方法の開発が可能となりました。
◆岩手大学では初となる、農林水産省動物用医療機器の製造販売に関する薬事承認を受けた研究成果です。

詳細については、以下をご覧ください。

  • 図.png


無線伝送式pHセンサー