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理工学部・星靖特任研究員らの研究グループが2016年度日本トライボロジー学会論文賞を受賞

掲載日2017.5.30

ニュース


本学理工学部化学・生命理工学科化学コースの星靖特任研究員らの研究グループが「2016年度日本トライボロジー学会論文賞」を受賞し、2017年5月15〜17日に行われたトライボロジー会議2017春東京(国立オリンピック記念青少年総合センター)で表彰されました。

「トライボロジー」とは潤滑、摩擦、摩耗を対象とする科学と技術です。トライボロジーの科学と技術は、機械や部品の低摩擦、低摩耗、表面損傷の低減を実現し、私たちの社会の省エネルギーおよび省資源に貢献しています。

日本トライボロジー学会(会員数約2,800名)はトライボロジーの基礎から最先端まで、この全分野の情報を扱う学会です。
日本トライボロジー学会では、トライボロジー分野の学術・技術の発展を奨励することを目的に、顕著な業績をあげた優秀な論文に論文賞を贈り、表彰を行なっています。

日本トライボロジー学会ホームページ
http://www.tribology.jp/

今回論文賞を受賞した論文は、日本トライボロジー学会の学会誌「トライボロジスト」に掲載されたもので、詳細は以下の通りです。

受賞者:
星 靖 (岩手大学理工学部化学・生命理工学科化学コース)
滝渡 幸治 (一関工業高等専門学校)
七尾 英孝 (岩手大学理工学部化学・生命理工学科化学コース)
八代 仁 (岩手大学理工学部化学・生命理工学科化学コース)
森 誠之 (岩手大学名誉教授、現 TSラボ)

論文題目:
「顕微赤外分光法によるグリースEHL膜のその場観察」
トライボロジスト,第60巻,第2号(2015)153-159.

内容:
グリース潤滑を理解するためには、潤滑膜の構造を明らかにする必要があり、潤滑下におけるその場観察が求められている。本論文の筆者らは潤滑膜を顕微赤外分光法でその場観察する手法を研究し、本論文はグリース増ちょう剤の接触部における動的な挙動のその場観察に同手法を適用したものである。リチウムグリースおよびウレアグリースの潤滑膜の赤外吸収スペクトルから、弾性流体潤滑(EHL: Elasto-Hydrodynamic Lubrication)条件下における潤滑膜の膜厚および増ちょう剤濃度をその場観察した。その結果、潤滑場においてウレアグリースでは増ちょう剤が濃縮するのに対して、リチウムグリースでは増ちょう剤濃度が低下することを見出した。さらに、潤滑膜の厚さが増ちょう剤濃度に依存することを明らかにした。リチウムグリースでは低速で増ちょう剤が濃縮されず基油と同程度の油膜厚さだったのに対し、ウレアグリースでは低速でも増ちょう剤が著しく濃縮して厚い潤滑膜の形成することを明らかにした。以上、増ちょう剤の濃縮挙動が増ちょう剤の種類によって大きく異なること、ならびに増ちょう剤の濃縮が潤滑膜形成に強く関わることを明らかにした。今後、同手法を用いた潤滑状態のその場観察により潤滑現象の解明がいっそう進むと期待される。

本件に関する問い合わせ先:
理工学部   化学・生命理工学科化学コース   七尾英孝   nanao@iwate-u.ac.jp