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コンピュータ化学を用いて重要医薬品合成のための効率的な新規触媒の開発に成功

掲載日2017.12.18

ニュース


岩手大学理工学部化学コースの是永敏伸准教授らのグループは、計算化学主導の触媒設計により、過活動膀胱治療薬の重要中間体合成を可能にする高活性触媒の開発に成功しました。
今後の高齢化社会では過活動膀胱患者の増大が予想され、この治療薬の安価な供給法が望まれています。それに対し、不斉触媒反応を用いればこの治療薬の簡便な合成が可能になることが知られていました。多くの研究者によりその簡便合成を達成できる複数の触媒が開発されましたが、高価なロジウム触媒の使用量が多く、また、理論量を大きく超える反応試薬が必要であったため、コスト的にそれらの触媒を医薬品製造に利用する事はできませんでした。今回是永准教授らは、従来実験結果の解釈にしか用いる事ができなかった量子化学計算を実験と相互に組み合わせ(インタープレイ法)、計算化学主導によるこの触媒の開発に挑みました。その結果、インタープレイ法により①従来触媒を用いた反応の問題の原因を突き止め、②それらを解決できる仕組みを導入した新型触媒を設計し、新型触媒の開発に成功しました。新型触媒の触媒量は従来触媒よりも100分の1以下の量まで、反応試薬の量も従来の3分の1以下まで低減化することができ、過活動膀胱治療薬の製造工程から要請されるコストを十分下回る、安価な製造法を確立できました。この成果は安い価格が要求されるジェネリック医薬品の製造に利用できます。また、今回の量子化学計算主導の触媒開発の成功例は、今後の触媒開発を大きく加速する手法としてその利用が期待されます。
本研究成果は、2017年11月に国際学術誌「Advanced Synthesis & Catalysis (IF 5.646)」 で公開されました。

本件に関する問い合わせ先:
理工学部   化学コース   是永敏伸   korenaga(at)iwate-u.ac.jp (at)を@に変更してください