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タンパク質膜挿入反応に必要な糖脂質MPIaseの生合成遺伝子を発見  ~低温耐性植物の開発が容易に!?~

掲載日2019.2. 4

ニュース


 西山賢一農学部教授らの研究グループは、サントリー生命科学財団(島本啓子主幹研究員ら)、東京大学(上田卓也教授ら)、東京工業大学(車兪澈特任准教授ら)、京都産業大学(遠藤斗志也教授ら)、山形大学(田村康准教授ら)のグループの協力を得て、タンパク質膜挿入や膜透過に関わる「糖脂質酵素」MPIase(Membrane Protein Integrase; タンパク質膜挿入酵素)の生合成遺伝子の一つを発見しました。この遺伝子は高等動植物を含むすべての生物で保存されており、微生物で発見されたMPIaseが広く保存されていることを強く示唆する結果となりました。この遺伝子はMPIase生合成反応の律速段階を触媒するため、この遺伝子を大量発現させるとMPIaseを大量に生産させることができます。タンパク質膜挿入や膜透過は、膜の流動性が低下する低温下では反応が進行しづらくなります。そのため、MPIaseを大量生産させる等、その機能を改変することにより、低温耐性作物を創出することが可能になると考えられます。

 西山教授らのグループでは、タンパク質膜挿入や膜透過の詳細な分子機構を解明するため、試験管内でこれらの反応を再現した再構成系を開発してきました。その結果、反応に必要な因子として糖脂質MPIaseを発見しています。MPIaseがこれらの反応を触媒することから、「糖脂質酵素」という新しい概念を提唱してきました。これまでの研究では試験管の中だけで解析を進めてきましたが、今回はMPIase生合成遺伝子を同定し、その遺伝子破壊を行うことにより、MPIaseは細胞の中でも「糖脂質酵素」として働いていることを実証することができました。さらに、パン酵母やヒト由来の遺伝子でもMPIaseが生合成できることも明らかにしました。今後は植物由来の遺伝子の改変により、低温下でもタンパク質膜挿入や膜透過反応が効率よく進む株の開発を進めていきます。

 これらの研究成果は、2019年2月4日、科学雑誌「Nature」の姉妹誌「Scientific Reports」誌にオンライン版で公開されました(www.nature.com/articles/s41598-018-37809-8)。

 詳しくは、こちらの資料(プレスリリース.pdf)をご覧ください。

本件に関する問い合わせ先:
岩手大学農学部応用生物化学科   西山賢一  
019-621-6471   nishiyam@iwate-u.ac.jp  

MPlaseの構造