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理工学部 星 靖特任研究員・七尾 英孝准教授らの研究グループが2018年度日本トライボロジー学会論文賞を受賞

掲載日2019.5.24

ニュース


本学理工学部化学・生命理工学科化学コースの星 靖特任研究員・七尾 英孝准教授らの研究グループが「2018年度日本トライボロジー学会論文賞」を受賞し,2019年5月20~22日に行われたトライボロジー会議2019春東京(国立オリンピック記念青少年総合センター)で表彰されました.

日本トライボロジー学会(会員数約2,800名)はトライボロジーの基礎から最先端まで,この全分野の情報を扱う学会です.日本トライボロジー学会では,トライボロジー分野の学術・技術の発展を奨励することを目的に,顕著な業績をあげた優秀な論文に論文賞を贈り,表彰を行なっています.


今回論文賞を受賞した論文は,日本トライボロジー学会の学会誌「トライボロジスト」に掲載されたもので,詳細は以下の通りです.

  • 受賞者

星 靖   (岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 化学コース)
滝渡 幸治 (一関工業高等専門学校 未来創造工学科)
七尾 英孝 (岩手大学 理工学部 化学・生命理工学科 化学コース)
森 誠之  (岩手大学名誉教授,現 TSラボ)

  • 論文題目

「グリース潤滑における過渡応答の顕微赤外分光法によるその場観察」
トライボロジスト,第61巻,第11号(2016)784-791.

  • 内容

本論文は、近年用途が拡大しているウレアグリースについて,Ball-on-Disk型潤滑試験機と顕微赤外分光器を組み合わせて潤滑膜をその場観察し,潤滑膜形状と増ちょう剤の濃度分布を動的条件下で観察した結果から,潤滑メカニズムを考察したものである.脂環式,芳香族,脂肪族のウレアグリースともに数分間かけて2~3 μmの厚い潤滑膜を形成すると同時に,ヘルツ接触部では増ちょう剤濃度が上昇することを明らかにした.これは,潤滑中に増ちょう剤が濃縮した付着膜を形成したものである.また,試験後の静止状態でも接触部に高濃度の増ちょう剤が検出されたことから,増ちょう剤の濃縮はボールおよびディスク表面への付着が主な原因であることが明らかとなった.さらに,転がり条件からすべり条件に変化させて経時変化を測定し,増ちょう剤濃度および潤滑膜厚さの過渡応答を観察した.せん断により,増ちょう剤濃度がバルク濃度まで急激に低下し,潤滑膜厚さも低下することを見出した.これは,転がり条件下で形成した付着膜がせん断によって剥離する様子を観察したものである.また,転がりとすべりを繰り返したとき,付着膜の成長と剥離による潤滑膜厚さの変化が再現性良く得られた.これらの膜厚変化は,ウレアグリースの増ちょう剤の種類に依存し,脂環式<芳香族<脂肪族の順であった.また,付着膜の成長速度よりも剥離速度のほうが速いことも明らかにした.本論文で得られた知見は,グリース潤滑のメカニズムを理解する一助になるとともに,グリース設計の新たな指針を提示するものである.今後,本手法を用いた潤滑状態のその場観察によりグリースにおける潤滑現象の解明が一層進むと期待される.

なお同研究グループは,2017年にも2016年度日本トライボロジー学会論文賞を受賞(下記お知らせ参照)している.
岩手大学お知らせ一覧:https://www.iwate-u.ac.jp/info/news/2017/05/000611.html

本件に関する問い合わせ先:
理工学部   化学・生命理工学科化学コース   七尾英孝  
019-621-6337   nanao@iwate-u.ac.jp