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『賢治学』第6輯(岩手大学 人文社会科学部【宮沢賢治いわて学センター】編)刊行のご案内
掲載日2019.7.19
ニュース
平成に『賢治学』を刊行してきた岩手大学宮澤賢治センターが令和に入り発展的に改組し、岩手大学人文社会科学部【宮沢賢治いわて学センター】として正式に発足して初めての『賢治学』、その満を持して放つ岩手大学ならではの特集は、「宮澤賢治得業論文100年」。
初の試みとして冒頭グラビアに、岩手大学図書館が新たに撮影した賢治自筆の得業論文全文を掲載。さらに、この卒業論文についての学問的価値を、賢治に憧れて岩手大学農学部に入学し現在は同教授として農業教育資料館館長も務める農芸化学の専門家が渾身の解説。
他にも、岩手県出身の有名な詩人・歌人・俳人による鼎談「賢治詩歌のこころ」や、盛岡で生まれ育った映画監督が長い年月をかけて製作した、3時間を超える映画『愁いの王:宮沢賢治』について自ら語ったエッセイなど、地元・岩手ならではのラインナップの他、インド人研究者やロシア人研究者、そして岩手大学の研究者たちによるエッセイや論考も収録し、まさにグローカルで硬軟織りまぜた充実した内容となっています。
【特集 宮澤賢治得業論文100年】
* 巻頭カラー写真 宮澤賢治得業論文「腐植質中ノ無機成分ノ植物ニ対スル価値」
* 宮澤賢治得業論文「腐植質中ノ無機成分ノ植物ニ対スル価値」活字化資料
* 宮澤賢治の得業論文を読む(伊藤菊一)
* 鼎談「賢治詩歌のこころを語る:岩手出身の詩人・歌人・俳人の立場から」
【コラム それぞれの賢治】
* 哲学者と小説家の「不満」──滝浦静雄と伊坂幸太郎にみる賢治像──(小林直之)
* 警察[サツ]回りの記者、宮沢賢治を再読する(佐藤桃花)
* 宮澤賢治と高橋秀松──二人の友情と「産業組合」(大内秀明)
* 画家・松本竣介の心象絵画──賢治へのオマージュか、作品『ニコライ堂の横の道』──(栗原文子)
* 『虔十公園林』と今を生きる「一人の作者」としての我々の課題(田中成行)
【宮澤賢治センター研究例会より】
* 賢治作品に見られる自己犠牲・自己否定および隣人愛の概念について(プラット・アブラハム・ジョージ)
* 映画『愁いの王──宮澤賢治──』(吉田重滿)
【フォーラム「賢治学」】
* ロシアにおける宮澤賢治文学の受容の現状と今後(増田エレーナ)
* 『グスコーブドリの伝記』と冷害気象学の矛盾考──「火山局員の犠牲」の二重映像──(松元季久代)
* 宮澤賢治における西洋近代美学受容研究序説──〈思索メモ5〉を端緒として──(木村直弘)
* 宮沢賢治と草野心平──出会えなかった10年間〈幻の花巻行〉──(小野 浩)
編集後記
本件に関する問い合わせ先:
岩手大学 人文社会科学部
宮沢賢治いわて学センター
019-621-6672
kenji@iwate-u.ac.jp
