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お知らせ

動物病院に全国初の動物園水族館動物診療科の開設

掲載日2019.8.23

ニュース


概要

2019年(平成31年)4月22日、岩手大学農学部附属動物病院では、全国初となる動物園水族館動物診療科を創設しました。主に動物園水族館で飼育展示されている野生種の動物や個人・動物展示施設で飼育されている家畜種(馬など)を診療対象とする専門診療科となります。 本成果により、希少種を含む動物園水族館の貴重な飼育展示動物に対し、動物福祉に配慮した高度な獣医療を提供するとともに、技術・学術の発展と人材育成が期待されます。 

背景

動物園水族館では、希少種を含む貴重な動物が数多く飼育されており、施設スタッフが飼育動物の福祉に配慮した健康管理や野生動物・環境保全の使命を持って日々努力しています。一方、専属獣医師が勤務していない施設も存在し、獣医師が雇用されている場合でも、情報・技術不足のため、また組織の専門職に対する理解不足や設備・資金難のため、診療や保全研究などの活動に苦慮している現場も多く見受けられます。日本は、伴侶動物医療は世界に通じる水準にありますが、動物園水族館動物医療は専門性が高度に分化した欧米や一部のアジア圏に比べ、発展途上にあります。近年、動物園動物に動物福祉に配慮した十分な質の医療を提供できず、ネグレクト型虐待に該当する健康管理上の技術・倫理面の問題が公になった事例も発生しています。このように、希少種を含む動物が適切な健康管理や治療を受けられず、動物福祉・種の保存上、課題が多い現状を早急に改善する必要性があります。 そこで、動物園水族館動物医療水準の向上と貴重な飼育個体群の動物福祉に配慮した質の高い健康管理、さらには適切な診断治療技術の開発を目指し、岩手大学附属動物病院内に国内初の専門診療科を創設しました。

・診療対象:ヒト以外のすべての動物種[ただし、飼育動物に限る(野生動物は除く)]

・診療内容:伴侶動物診療に準じた高度医療;より安全で効果的な麻酔管理、CT・MRI・エコー・内視鏡などによる画像診断、生検と病理診断、エネルギーデバイスなどの先端機器を活用した手術

成果

診療実績として、これまでに以下のような症例の受け入れがある。(2019年8月19日時点)

・ニホンイヌワシの造影CT検査と腫瘤摘出手術
・ゴマフアザラシの造影CT検査とエコーガイド下生検
・フンボルトペンギンの造影CT検査・内視鏡下胃生検・エコー検査
・ツメナシカワウソの造影CT検査
・重種馬の鼻腔内腫瘤切除手術

今後の展開

今後、東北地方を中心に、動物園水族館などの関連機関と協働し、地球上の貴重な飼育個体群の種の保存や環境保全にも貢献して行きたいと思います。さらに、関連分野の獣医学を発展させ、専門医や優秀な将来の担い手の人材育成に取り組んで参りたいと思います。

関連ウェブサイト
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/~hospital/aquariumzooanimal/medical_aquariumzoo.html

本件に関する問い合わせ先:
岩手大学農学部共同獣医学科小動物外科学研究室   准教授 福井大祐(ふくいだいすけ)  
019-621-6238(動物病院),019-621-6981(研究室)   dfukui@iwate-u.ac.jp