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衣川ふるさと自然塾と『リトル・フォレスト』

掲載日2021.11. 9

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【国際交流PRアソシエイトからの発信★】
岩手県奥州市が舞台となっている映画をご存知ですか?岩手大学国際交流PRアソシエイトの李春潤さんが映画のロケ地を訪れました。ぜひご一読ください。(言語:日本語、中国語)

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岩手大学や岩手の生活の魅力について、留学生の目線から、世界に向けて多言語発信することを目的として活動する国際交流PRアソシエイトが活躍しています。

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衣川ふるさと自然塾と『リトル・フォレスト』

 こんにちは。岩手大学総合科学研究科2年の李春潤です。先日友達と岩手県奥州市衣川区下大森にある衣川ふるさと自然塾に行きました。そこは岩手県民でもあまり知られていない場所です。映画『リトル・フォレスト』のおかげで、衣川ふるさと自然塾の存在を知りました。

 『リトル・フォレスト』は五十嵐大介さんの漫画を原作とする映画です。五十嵐大介さんは大森での実生活体験をもとにこの漫画を作りました。映画の夏秋編は2014年に公開され、冬春編は2015年に公開されました。この映画は、都市から故郷の小森(大森)に帰り、毎日農作業をしたり、料理をしたり、自給自足の生活を送る主人公のいち子が、人生の意味を探していく物語です。主演の橋本愛さんは岩手で撮影された朝ドラ『あまちゃん』に出演したことがあります。当時、『リトル・フォレスト』は高い評価を受け、多くの人を感動させました。中国や韓国でも人気があります。

 数年前、友人がこの映画を勧めてくれましたが、私は見ていませんでした。去年その友人が亡くなってから、ふとこの映画を思い出しました。そしてこの映画は岩手で撮影されたものだと知って、映画の舞台である大森に行ってみたいと思いました。

 映画の冒頭のセリフのように、「小森は東北地方のとある村の中の小さな集落です。商店などはなく、ちょっとした買い物なら、役場のある村の中心まで出ると、農協の小さなスーパーや商店が数軒」。大森はこのように山の中にあり、盛岡から出発して、高速道路を利用しても一時間半をかかります。

 衣川ふるさと自然塾は映画の主なロケ地の一つで、衣川青少年旅行村と廃校となった衣川小学校大森分校が統合しました。ここは草木が生い茂り、周囲に多くの田んぼがあります。山の斜面にキャンプ場があります。宿泊できる綺麗なコテージやケビンもあります。衣川のふるさと自然塾では、イワナ釣り、ソーセージづくり、木工・竹細工づくり、自然観察など、様々な体験講座が開かれます。でも、予約が必要です。現在、多くの活動が中止されました。私たちが到着した時、職員のおじさんが焚き火をつけていました。焚き火の煙のにおいがさわやかな空気の中に漂っていて、なんだか安心感があります。何の準備もしていませんので、見物して帰ってきました。

 秋は収穫の季節で、田んぼに稲が積もって、『リトル・フォレスト』の中のシーンと同じです。最近は岩手の新米も食べれました。美味しかったです。この映画は料理をテーマとしたもので、いち子は全部で三十種類以上の旬の料理を作りました。例えば、ミズとろろ、栗の渋皮煮、なっとうもち、山菜の天ぷらなど、どれも美味しそうです。日本に来たばかりの頃は、節約のために自炊していました。その後は料理に時間をかけたくないので、毎日スーパーやコンビニの弁当を食べていました。顔色が悪いからか、時々友達に「ちゃんと食べている?」と聞かれました。このような生活はコロナ禍が来るまで続いていました。去年の春、私はリスのように賞味期限の長い食べ物をたくさん貯蔵しました。一応料理を始めました。

 『リトル・フォレスト』を見るには長い時間がかかりました。この期間の自粛生活は不便なことが多いですが、心を静めて考えることもできます。映画の中でいち子は逃げて小森に帰ったのです。一年間の生活を通して、いち子は自分を見つめ直し、未来の方向を選びました。いち子のお母さんが手紙で言ったように、「一生懸命歩いてきたつもりなのに、同じ場所をぐるぐる円を描いて戻ってきた気がして落ち込んで。でも、私は経験をつんだんだから、それが失敗にしろ、成功にしろ、まったく同じ場所ってことはないよね」。

衣川故乡自然塾与《小森林》

大家好。我是岩手大学综合科学研究科二年级的李春润。前几天我与朋友去了位于岩手县奥州市衣川区下大森的衣川故乡自然塾。那里是岩手县民也很少知道的场所。因为电影《小森林》,我才得知衣川故乡自然塾的存在。

《小森林》是由五十岚大介的漫画改编而来的电影。五十岚大介根据自身在大森的实际生活体验创作了这部漫画。电影的夏秋篇于2014年上映,冬春篇于2015年上映。这部电影讲述了从城市回到故乡小森(大森),每天做农活、做料理,过着自给自足生活的主人公市子,寻找人生的意义的故事。主演的桥本爱曾经出演过在岩手拍摄的晨间剧《海女》。《小森林》在当时获得了很高的评价,感动了很多人,在中国和韩国也很有人气。

几年前,一位友人向我推荐了这部电影,不过我却迟迟没有看。直到去年友人去世,我才突然想起这部电影,并且了解到这部电影是在岩手拍摄的,于是才想着去电影的舞台大森看看。

正如电影开头的台词,"小森是东北地区某个村子的一个小集落,没有商店,想买东西的话,就要去有公务所的村子的中心,那里有几家农协的小超市和商店"。大森就是这样一个位于大山里的地区,从盛冈出发,即使走高速公路也要一个半小时。

衣川故乡自然塾是电影的主要取景地之一,由衣川青少年旅行村和已经废校的衣川小学大森分校合并而成。这里草木繁茂,周围有不少农田。山坡上有露营场,也有很多栋漂亮的别墅和小屋可供住宿。在衣川故乡自然塾也举办各种体验讲座,可以体验到钓红点鲑鱼、做香肠、做木工和竹细工、自然观察等。不过都需要提前预约。目前也有很多活动中止了。我们刚到时,职员大叔正在点篝火。篝火的烟味儿飘荡在清凉的空气中,有一种莫名的安心感。由于没有做什么准备,我们游览一番后便回来了。

秋天是收获的季节,田里堆起了稻子,与《小森林》中的场景差不多。最近我也吃到了岩手的新米,味道很好。这部电影是以料理作为主线的,市子一共做了三十多种时令料理,比如雨久花泥、糖水栗子、纳豆年糕、野菜天妇罗等,每一种都看起来很好吃。记得刚到日本时,出于节约,我基本也是自己做饭。之后由于不想在做饭上花时间,于是几乎每天都吃超市或者便利店的便当。想必因为脸色不好,偶尔会被朋友问到有没有好好吃饭。这种生活持续到病毒到来。去年春天,我像松鼠一样储存了很多保质期比较长食物。姑且也算是开始做饭了。

我看《小森林》花了很长时间,这期间的隔离生活有诸多不便,却也能让人静下心来思考。电影中市子是因为逃避才回到小森的,通过这一年的生活重新审视自己,选择了未来的方向。正如市子的妈妈在信中所说的那样:明明是拼命地走过来的,却感觉在同一个地方画圆圈,又回到了原点,让人很失落。但是,我积累了经验,所以不管是失败还是成功,都不再是原点。

看板

衣川小学校大森分校

 

コテージ

田んぼ