人文社会科学部 地域政策課程
教授 寺崎正紀
環境リスク学、環境化学
岩手大学人文社会科学部 寺崎正紀教授らの研究グループは、インクや感熱紙に使われる「増感剤」と呼ばれる化学物質を河川から検出しました。紙リサイクルの製造工程で古紙原料から取り除くことができずにトイレットペーパーなどの製品へ残留しているとみられ、下水処理場を経由して河川へ流出していることを突き止めました。魚類への蓄積や高濃度の曝露では発育不良を引き起こすことも報告されていますが、現在、環境基準や製品の含有量規制はありません。
本成果により、世界的な水質汚染の実態解明や浄化技術の開発が見込まれるほか、製品の残留基準の検討など汚染対策や製品改良に向けた取り組みの加速が期待されます。
本研究は令和5年12月28日にシュプリンガー・ネイチャー社が発刊する国際学術誌Environmental Chemistry Lettersで公開されました。
国内外で使用実績のある増感剤10物質について、2020年から2022年にかけて北上川流域(10地点:図のk1~k10)の汚染状況を調査した。古紙製品としてトイレットペーパー(日本、米国、カナダ、ベトナム製)の含有量も調査した。調査期間を通じて、下水処理場そばの河川水と古紙製品との間には、増感剤の成分に高い類似性が見られた。この結果は古紙製品が増感剤水質汚染の発生源の一つであることを示唆している。
題目:Recycled toilet paper sensitizers, a novel source of contamination in rivers
著者:吉成 裕汰 岩手大学人文社会科学部(当時)、寺崎 正紀 岩手大学人文社会科学部
誌名:Environmental Chemistry Letters
公表日:2023年12月28日
DOI:
https://doi.org/10.1007/s10311-023-01686-z
人文社会科学部 地域政策課程
教授 寺崎 正紀
terasaki@iwate-u.ac.jp
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