【プレスリリース】熱力学の教科書の「未解明の空欄」に挑む:室温の超臨界水素が560 MPaで状態変化することを発見~室温下の動的12分子配位状態と緻密化メカニズムを解明・水素技術の最前線へ~

掲載日2026.10.19
最新研究

理工学部理工学科化学コース
中山 敦子
高圧科学、物質科学、固体物理学

概要

岩手大学理工学部 中山敦子教授らの研究グループは、熱力学の教科書で「未解明の空欄」とされてきた超臨界流体の微視的構造に迫るため、室温下でシンクロトロン放射光X線回折実験を行いました。その結果、約560メガパスカル(MPa)付近で状態が移り変わる「クロスオーバー」を確認し、高圧下の超臨界水素が室温環境下においても動的な12分子配位状態を形成することを突き止めました。さらに、分子当たりの平均体積の解析から、クロスオーバー後のさらなる高密度化は「単なる分子間距離の短縮」ではなく、主に原子内/分子内のメカニズムによって生じることを明らかにしました。本成果により、高圧・高密度な超臨界水素の物性理解が進むことで、特に産業・エネルギー分野における次世代の水素ストレージ(貯蔵・輸送)や、高効率な触媒反応プロセスの精密設計への貢献が期待されます。

本研究は、令和8年9月30日に米国化学会が発行する、物理化学分野で国際的に評価の高い学術論文誌『The Journal of Physical Chemistry Letters』で公開されました。

超臨界流体水素の相図
  • 本研究成果の詳細は、以下のプレスリリースをご覧ください。
本件に関する問い合わせ先
岩手大学理工学部理工学科数理・物理コース  教授 中山敦子
019-621-6303(理工学部代表番号)
atsuko(at)iwate-u.ac.jp ※(at) を@に変えてお使いください。