
理工学部理工学科化学コース
中山 敦子
高圧科学、物質科学、固体物理学
岩手大学理工学部 中山敦子教授らの研究グループは、熱力学の教科書で「未解明の空欄」とされてきた超臨界流体の微視的構造に迫るため、室温下でシンクロトロン放射光X線回折実験を行いました。その結果、約560メガパスカル(MPa)付近で状態が移り変わる「クロスオーバー」を確認し、高圧下の超臨界水素が室温環境下においても動的な12分子配位状態を形成することを突き止めました。さらに、分子当たりの平均体積の解析から、クロスオーバー後のさらなる高密度化は「単なる分子間距離の短縮」ではなく、主に原子内/分子内のメカニズムによって生じることを明らかにしました。本成果により、高圧・高密度な超臨界水素の物性理解が進むことで、特に産業・エネルギー分野における次世代の水素ストレージ(貯蔵・輸送)や、高効率な触媒反応プロセスの精密設計への貢献が期待されます。
本研究は、令和8年9月30日に米国化学会が発行する、物理化学分野で国際的に評価の高い学術論文誌『The Journal of Physical Chemistry Letters』で公開されました。
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