【プレスリリース】危険試薬を使わない、簡便な新エステル還元法を開発~水と分離しやすい溶媒で後処理を簡略化、工業化へ期待~

掲載日2026.11.06
最新研究

理工学部理工学科化学コース
是永 敏伸
有機合成、分子触媒、医薬品化学

岩手大学理工学部化学コースの是永敏伸教授らの研究グループは、エステルの還元に不向きとされてきた水素化ホウ素ナトリウム(NaBH₄)を用いて、多様なエステルを対応するアルコールへ高収率で還元する方法を開発しました。

医薬品や有用化合物の合成に欠かせないエステルの還元には、一般にエーテル系溶媒中で水素化リチウムアルミニウム(LiAlH₄)が用いられますが、LiAlH₄の高い発火性や、エーテル系溶媒が有する種々の問題から、特に大量生産の現場では、代替可能であれば避けたい反応条件であり、より安全で工業利用に適した手法が求められていました。
今回、是永教授らは、エステル還元には不向きとされてきたものの安全性に優れるNaBH₄に、2-メトキシエタノールを加えるだけの簡便な方法でのエステル還元法を開発しました。この方法では、水と分離しやすいトルエンを溶媒として利用でき、不活性ガスを使用せず、空気中の開放系で反応を行っても多様なエステルを高収率で還元できることから、幅広い工業的合成への応用が期待されます。
本成果は、米国化学会(ACS)のThe Journal of Organic Chemistry, Vol. 91, Issue 43, pp. 14516–14521(2026年10月30日発行号)に収載され、公式サイトの「Most Read」に掲載される5報の一つに選ばれています(2026年11月4日現在)。

  • 本研究成果の詳細は、以下のプレスリリースをご覧ください。