【プレスリリース】研究・医療資源を連携活用!希少資源であるヘリウムガスを回収・再液化し 「地域循環リサイクル」へ

掲載日2025.12.19
ニュース

MRI等からの放出ガス回収で、年間2,000リットルの液体ヘリウムを再利用し、地域の医療・研究機関への安定供給に貢献 ~12月23日、MRIからのヘリウム回収作業を初実施~

国立大学法人岩手大学と学校法人岩手医科大学は、このたび、両大学間で連携し、岩手医科大学の超高磁場MRI診断・病態研究部門で研究用として使用されたヘリウムガスを回収し、岩手大学低温室で再び液体ヘリウムとして再利用する「ヘリウムリサイクル・連携活用プロジェクト」を開始します。

概要と取り組みの背景:高騰する希少資源ヘリウムのリサイクルへ

液体ヘリウムは、沸点が-268.9℃と非常に低いヘリウムガスを液化したもので、その特性から極低温の冷却剤として、医療分野のMRI(磁気共鳴画像装置)、研究分野のNMR(核磁気共鳴装置)や超伝導磁石などの冷却等に広く利用されており、高精度な診断・研究に不可欠な希少資源です。
しかし、ヘリウムは地球上での生成量が限られ、供給元の生産停止や輸出制限など世界的な情勢変化の影響を受け、価格が不安定かつ高価です。特に国内では、液体ヘリウムの価格は過去20年間で5倍以上に高騰しており、研究機関や医療機関の運営を圧迫する深刻な問題となっています。
本プロジェクトでは、これまで岩手医科大学のMRIから気化し、大気中に放出されていた年間約2,000リットル相当(液体ヘリウム換算)のヘリウムガスを回収し、液体ヘリウムとして再利用します。 希少資源であるヘリウムの有効活用は、地域の医療・研究活動の持続可能性と安定供給を支える、極めて重要な社会貢献活動となります。

  1. 詳細は、以下のプレスリリースをご覧ください。
本件に関する問い合わせ先
岩手大学技術部 理工学系技術部  技術室長 千葉
019-621-6908
chibah@iwate-u.ac.jp